面接で「資格を勉強中です」は言っていいのか――加点される人と、流される人の違い
面接の終盤、逆質問で言うかどうか迷う。
……いま資格の勉強をしてることは言ってアピールになるのだろうか…。
「履歴書 資格 勉強中」で調べると情報はめちゃくちゃ出てきます。「取得予定と書く」「勉強中と添えていい」——どれも合っています。
ただどの情報も言うかどうかの判別にはなっていない。書いていいことは分かっても言ってなにか変わるのかが書かれていないからです。
迷っているなら言った方がいいです。ただし言い方ひとつで、加点になるか流されるかが分かれます。その分かれ目を面接官目線でお伝えしますね。
- 資格欄そのものは面接官がほとんど見ていない
- それなのに「勉強中です」には反応が起きる、その理由
- 加点される条件は2つ。何が違うと流されるのか
- 書類への書き方と、面接の前に用意しておく1行
面接官は資格欄をほとんど見ていません
書類を見るとき、資格欄はほとんど読み飛ばしています。上から順に、職務経歴、担当した範囲、成果や実績。見る場所はだいたい決まっていて資格欄はその後です。じっくり見るのはその資格が仕事と直結している職種のときだけです。
これは資格を軽んじているという話ではありません。書いてあるだけの情報ではその人が何をできるかまで分からないからです。簿記2級と書いてあっても、実務で数字を触ってきた人なのか、学生時代に取っただけなのかは読み取れません。
「資格が無駄」という意味ではありません。職種によっては、取得済みであること自体が要件になる仕事もあります(その場合は資格欄からしっかり見ます)。ここで言っているのは必要資格ではない一般職種の話です。
ただ、資格の話でも面接で本人の口から出てくると受け取り方が変わります。 勉強中というのはまだ結果が出ていない。合格していない、証明するものもない。それでも自分から口に出したということは、その人が何か目的があって今そこに時間と労力を割いている努力の証にはなり得ます。
資格欄=過去に何を取ったかの情報
「勉強中です」=今、何に時間を使っているかの情報
採用側で印象に残るのは後者です。
だから迷っているなら言った方がいいんです。ただし、同じ「勉強中です」でも加点になる言い方と、そのままスルーされる言い方があります。ポイントは2つ。
加点の条件①:志望する仕事と一貫性があるか
その資格と応募している仕事のあいだに親和性があるかどうかです。
経理の求人で「簿記を勉強中です」と言われたら、それは志望動機の裏づけとして働きます。応募が本気だという証拠が言葉ではなく行動として出ているからです。
一方で、その仕事と関係のない資格の場合、勉強していること自体は伝わっても印象に残りません。まじめな人なんだな、で終わってしまう。悪い印象にはなりませんが、合否を動かすところまでは届きません。
- 経理職に応募 × 簿記を勉強中 → つながる
- 人事職に応募 × 労務系を勉強中 → つながる
- 営業職に応募 × プログラミング系資格を勉強中 → 悪くはないが、納得感はない
とは言え、メインの職種と繋がらなくても資格を勉強しているケースもあるかと思います。本人の中では意図があるのに、面接でその理由を言っていない人。もったいないです。
「なぜその資格なんですか」と聞けば出てくることが多いです。しかし、ただ聞かれるまで待っていると、そのまま次の質問に移ってしまいます。伝えるタイミングがあるなら、資格名と理由はセットで言い切ってしまいましょう。
加点の条件②:その先に何をしたいかが見えるか
「勉強中です」で本当に効くのはその資格の先に何をしたいかが見えたときです。
資格を取ること自体がゴールになっている話し方だと、面接官の印象は「へぇ〜」だけです。逆に、取ったあとにどう働きたいのかまで見えると、その人の将来の意図がクリアになりやすいです。
一例ですが、経理職の面接で実際に言われたことがあります。
「簿記2級を勉強中です。今いる部署が役員と近いところで仕事をしているので、財務の観点から役員に意見を出せるようになりたくて」
この一言で、その人が数年後に会社に欠かせない人材になる可能性があると感じました。
「勉強中です」だけで止まると、こちらは情報として受け取って終わります。同じ資格でもその先が付くだけで受け取る側の解像度が変わります。
この例は自分のできる仕事の範囲を広げたいという話をしていません。「月次の締めまで任せてもらえるようになりたい」でも悪くはありません。みんな、自分のスキルアップを目的とした資格取得を目指していますからね。
ですが、先ほどの人が言ったのは誰に対して、どういう存在になりたいかでした。役員に意見を出す側に回りたい。資格はそのための手段として使いたいと考えています。
面接官が見ているのは熱意の大きさや実務の幅だけではありません。その人がどこへ向かっているかです。つまりはキャリアの方向性。資格はその方向を示す材料の一つとして受け取っています。
だから勉強中と言うときに添えるべきなのは「頑張っています」ではなくその先の話です。
響かないのは資格を取ること自体が目的になっているとき
逆に懸念が残ったり印象に残らないのは資格を取ることそのものがゴールになっている場合です。これは勉強中でも取得済みでも同じで、資格欄が流し読みされてしまうところにも繋がるのですが。「取った」という事実だけではその人がどこへ向かっているかが分からないからです。
「何か強みが欲しくて」「持っていた方が有利だと聞いて」 → 嘘ではないので減点にはなりません。ただその先が見えないのでこれ以上話が広がりません
もう一つ、その資格の難易度が低いときも印象には残りません。
同じ簿記でも3級と1級では受け取り方がまったく違います。誰でも取れそうな資格は勉強中と言われても「ふーん」で終わってしまうのが実際のところです。
これは「簡単な資格を取るな」という話ではありません。入口として3級から始めるのは順番として何もおかしくありません。
ただ、面接でそれを前に出しても単体では効きにくいというだけです。その場合は、さきほどの条件②——その先に何をしたいか——をセットにしてください。難易度で足りない分はその一言で埋まります。
この考え方は資格の選び方の記事で書いた「仕事→資格の順番」とまったく同じ話です。順番が逆になっていると、面接でも同じところで止まります。
取ろうとしている資格が、いま応募している仕事のどこにつながるのか。そこを一度自分の言葉にしてから面接に行ってください。
\ そもそも何を取るか迷っている人はこちら /
転職に効く資格の選び方――「何を取るか」の前に「どんな仕事をしたいか」ここまで資格の有効性について色々と意見をお伝えしましたが、そもそも社会人になって資格をはじめ勉強をされていることはとても凄いことです。総務省の調査によると、仕事をしている人が勉強にあてる時間は1日あたり平均7分。1週間ぜんぶ足しても1時間になりません。 資格取得を頑張っている方はそれくらい少数派なのに、伝え方ひとつで印象が残らないのはもったいなさすぎる。 せっかく頑張っているのだから最後まで伝えきりましょう。
※勉強時間の数値は総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」(表3-4 日常生活への支障の程度別生活時間-週全体、有業者)より。
まだ「勉強中」と言えるものが無い人へ
そもそも勉強中と言えるものが何もない。その状態で焦って何か始めるのは順番としては逆です。関係のない資格を慌てて始めても、さきほどの条件①で止まってしまうからです。
やることは1つ。応募したい仕事を先に決めることです。それが決まると、必要な勉強は自然に絞られます。求人票の応募要件を3件も並べれば同じ言葉が繰り返し出てきます。そこが勉強すべき場所です。
方向が決まってから講座を探しても遅くはありません。むしろ方向が決まっていない状態で申し込んだ講座は、途中で止まりがちです。急がば回れ、というのはこういうところで効いてきます。
まとめ:書類に1行、面接に1行
「〇〇(資格名) 勉強中。△月受験予定」
受験予定の月まで書くと、いつ結果が出るのかまで伝わります。書くかどうかはその資格の難易度と、応募先との親和性で決めてください。
「いま○○を勉強中で、△△ができるようになりたいと思っています」
○○=資格名/△△=その資格を使って、仕事で何をしたいか
この1行があるかないかで、同じ資格の話でも届き方が変わります。逆に、この1行が埋まらない資格は面接で無理に出さなくても大丈夫です。埋まらないということはまだ自分の中でも線がつながっていないというだけの話です。
そして埋められるなら面接で触れられそうなときに自分から話してください。資格欄は流されてもその一言は印象に残ります。
あなたの転職活動を応援しています。頑張れ。
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