ぽにのキャリア相談室

現役エージェント×面接官が、転職のリアルに伴走する

面接で落ちる人と受かる人の違い ―― 現役の採用面接官が、面接の前から見ている2か所

転職エージェントをやりながら、今は採用の面接官もしています。求職者を送り出す側と、来た人を選ぶ側。その両方の椅子に座っているわけです。

両方に座ってみて、見えてきたことがあります。面接って「その場の受け答えのうまさ」で決まると思われがち。でも、実際はちがいます。勝負は、面接が始まる前から動いている。

今日はその「面接官側から見えている景色」を、できるだけ正直に書きます。エージェント仲間にはあまり大きな声で言えない話も、少し混じります。


面接の前:面接官が最初に見るのは、経歴の"2か所"だけ

これは言いにくいんですが——面接官は、あなたの職務経歴書を隅から隅まで読み込めているとは限りません。全員がそうだとは言いません。でも、正直、時間がないんです。面接と面接の合間に開いて、ざっと目を走らせる。そういう場面は、めずらしくありません。

じゃあどこを見ているか。だいたい2か所です。

ひとつは、その人が「どう働く人か」。何を担当したか、だけじゃありません。それにどう取り組んだか——工夫や姿勢が見える部分を探しています。もうひとつは、実績。その取り組みで、結局何を出したのか。数字でも、具体的なエピソードでもいい。

つまり——経歴を時系列でぜんぶきれいに並べるより、「どう取り組んで、何を出したか」がパッと読み取れるかのほうが、ずっと効きます。面接官はそこを入り口にして、「この人に何を聞こうか」を組み立てているからです。逆にいうと、そこがぼんやりしていると、質問もぼんやりする。もったいないんです。


面接の中:質問はほぼ3種類に整理できる

面接って、何を聞かれるか分からないから怖い。分かります。私も逆の立場なら身構えます。

でも面接官側からすると、聞いていることは、ほぼ3種類です。

過去・現在・未来。

  • 過去:これまで何をしてきたか(経験や実績)
  • 現在:今、何ができるか(強み)
  • 未来:これから何がしたいか(やりたいこと・進みたい方向)

言い回しはいくらでも変わります。でも、ほとんどの質問はこの3つの箱のどれかに入る。だから準備も、この3つの箱で考えると一気にラクになります。想定外の質問が飛んできても、「あ、これは"未来"の話だな」と置き場所が分かるだけで、頭が真っ白になりにくい。これ、けっこう効きます。


受かる/落ちるを分ける本音:「一緒に働きたいか」

スキルが足りないから落ちる。そう思っている人が多いです。でも面接官側で見ていると、最後に効いてくるのは、もう少し人間くさいところだったりします。

「この人と、一緒に働きたいか」。

一緒に働く毎日を、具体的に想像できるか、と言ってもいい。受け答えが完璧でも、なんだか壁を感じる人より、多少詰まっても「この人となら、うまくやっていけそうだな」と思える人のほうが、次に進みます。きれいごとに聞こえるかもしれませんが、現場のリアルです。

これはスキルでごまかせない代わりに、特別な才能もいりません。自分の言葉で、自分の経験とつなげて話せているか。そこに人柄は、ちゃんとにじみます。


落ちても、その面接は次に活きる

最後に、受かっても落ちても両方に効く話を。

面接が終わったら、その日のうちに3行だけメモを残してみてください。

  • 聞かれたこと
  • 答えに詰まったこと
  • 気になったこと

これだけ。コツは、記憶が新しいうちにやること。一晩寝ると、びっくりするくらい忘れます(私もそうです)。このメモが3回分たまると、自分が毎回どこで止まるかが見えてくる。落ちた面接も、ちゃんと次の面接の材料になるんです。


まとめ:次の面接の前と後に、ひとつずつ

長くなったので、持ち帰ってほしいことだけ。

  • 面接の前:直近の経歴を、「どう取り組んだか」と「出した実績」が読み取れる形に整える
  • 面接の後:終わったその日に、3行メモを残す

全部いっぺんにやらなくて大丈夫です。次の面接が決まったら、まず直近の経歴を「取り組み方+実績」が見える形に直すところから。それだけでも、面接官に届く景色は変わります。