書類選考で落ちた理由は、聞けば教えてもらえるのか ―― 中の人の正直な答え
「今後のご活躍をお祈りしています」だけ届いた。 落ちた理由、聞いたら教えてもらえるんだろうか。
お見送りのメールにはたいてい理由が書いてありません。何がダメだったのか分からないまま次の応募に進むしかない。この記事を開いたのはたぶんそういうタイミングだと思います。
エージェントとして企業とやり取りし、採用面接官として選ぶ側にも座っている立場から先に正直な答えを言います。直接聞いても教えてもらえないことがほとんどです。ただしそれは「あなたに問題があって言えない」からではありません。そして理由が分からなくても書類側でできることはちゃんとあります。順番に書きます。
なぜ企業は落ちた理由を教えてくれないのか
まず聞くこと自体は失礼ではありません。丁寧に聞く分にはマナー違反でもなんでもない。それでも返ってこないのは企業側にこういう事情があるからです。
- 開示しない運用に統一している会社が多い。
個別に理由を伝え始めると「その評価はおかしい」という水掛け論になりかねません。トラブルの入り口になりやすいんです。だから「選考基準は開示しない」で線を引いている会社が大半です。 - 理由が「伝えにくい種類」のことがある。
後で書きますが、お見送りの理由は能力の話とは限りません。「社風との相性」のような、伝えたところで応募者がどうにもできない理由も多いんです。 - 担当者に悪気があるわけではない。
現場の採用担当は、答えたくても会社のルール上答えられない、というのが実態に近いです。
つまり理由が返ってこないのは構造の問題であって、あなたへの評価の低さの表れではありません。ここはまず切り分けてほしいところです。
企業からエージェントには、お見送り理由が共有されることが多いです。担当エージェントに「差し支えない範囲で理由を聞けますか」と頼むのは、ごく普通のことなので遠慮しなくて大丈夫です。
エージェントに届く「本当のお見送り理由」は、実力不足じゃないことが多い
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
お見送りの連絡は企業からエージェント側にも届きます。そこで理由を聞くと「実力不足」「経歴が見劣りする」といった話より、こういうケースの方が多いんです。
- ポジションの要件と、経験の方向性がズレていた。
例えば同じ営業でも、新規開拓を求めるポジションに既存顧客との関係構築が中心だった人が応募していた。良し悪しではなく"向き"の話です。 - カルチャーや価値観の相性。
チームの雰囲気や仕事の進め方と合うかどうか。これは応募者の優劣ではなく、組み合わせの問題です。
どちらも「あなたがダメ」ではなく「今回の求人と噛み合わなかった」という話です。書類で落ちると自分の価値ごと否定された気分になります。でも実際に中で起きているのはもっとドライな「組み合わせ判定」だったりします。
理由が聞けない前提で、自分の書類を見直す3つの観点
とはいえ、「気にしなくていいよ」で終わったら何も進まないので。理由を教えてもらえない前提で自分で"落ちた理由の見当"をつける見直し方を3つ置いておきます。
① 落ちた求人の「必須」欄と、自分の書類を並べる
落ちた求人の応募条件の「必須」欄と、自分が出した職務経歴書を画面に並べて見比べてください。必須の項目それぞれに対して、書類のどの行が答えになっているかを指でなぞる感覚です。答えになる行が見当たらない項目が複数あるなら、落ちた理由はだいたいそこです。ズレていたのは実力ではなく、応募先の選び方かもしれません。
② 直近の経歴が「会う理由」を示せているか
採用側は書類を上から均等には読みません。よく見られるのは直近の仕事内容と、応募職種との噛み合いです。直近の欄が「所属と期間だけ」「業務の羅列だけ」になっていませんか。任されていた役割や動き方が見えないと、会う理由を見つけてもらえないまま終わります。
③ 同じ書類を全部の応募に使い回していないか
連敗しているときにいちばん多い原因がこれです。1通の"完成版"をどこにでも出していると、どの求人から見ても「うちに合わせて書かれていない書類」になります。全文を書き直す必要はありません。冒頭の要約と、直近経歴の強調ポイントを応募先に合わせて差し替えるだけでも噛み合い方は変わります。
まとめ:理由探しでぐるぐるする前に
- 落ちた理由は、直接聞いても教えてもらえないことがほとんど(構造の問題。あなたのせいではない)
- エージェント経由なら、担当に理由を聞くのは普通のこと(遠慮しなくていい)
- 実際の理由は「要件とのズレ」「相性」が多い——実力不足とは限らない
- 理由が分からなくても、必須欄との噛み合い・直近経歴の見せ方・使い回しの3点は自分で見直せる
今日の一歩はこれです。直近で落ちた1社の求人票を開いて「必須」欄と自分の書類を並べて見比べる。落ち込むためではなく、次の応募先の選び方と書類の直しどころを見つけるためです。
「並べてみたけど、ズレてるのかどうか自分では判断がつかない」。そういう人のために、採用側の目線で書類を診断するサービスもやっています。落ちた理由の"見当"を第三者の目で言語化してほしいときにどうぞ。
→ 採用側の目線で、あなたの応募書類を診断します(ココナラ)
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