逆質問が思いつかない人へ――探す場所が違うだけです
面接の最後、「何か質問はありますか?」。
この瞬間が苦手な人、多いと思います。事前に「逆質問 例文」で検索して、良さげなのをいくつか覚えていく。でも面接の流れで半分は使えなくなって、残りを口にしても、なんとなく借り物っぽい——。
先に結論を言います。逆質問が思いつかないのは、あなたに聞きたいことがないからではありません。探す場所が違うだけです。
私は採用面接官として「質問はありますか?」を聞く側にいて、エージェントとしては聞かれる側の求職者を送り出しています。両方の席から見えるコツを、シンプルに書きます。
思いつかない原因:「いい質問」を外から探しているから
例文リストを眺めて「いい質問」を探すやり方は、実は一番苦しい方法です。理由は2つ。
- 自分の言葉じゃないので、覚えられないし、面接の文脈に合わせられない
- 質問したあとに面接官が答えてくれた内容に、続きの会話ができない(借り物の質問には、興味の続きがないからです)
面接官側から言うと、暗記してきた逆質問はけっこう分かります。質問だけ立派で、回答を聞く姿勢が「消化試合」になるんです。もったいない。
正解:「入社1ヶ月目の自分」から逆算する
やり方を変えましょう。目を閉じて、その会社に入社して1ヶ月目の自分を想像してください。デスクに座って、仕事を覚え始めた頃の自分です。
その自分が、何が分からなくて困っていそうか。それを書き出して、そのまま質問にする。これだけです。
- 最初はどんな仕事から任されるんだろう → そのまま聞く
- どんな人たちと働くんだろう → そのまま聞く
- どうなったら「使える」と認めてもらえるんだろう → そのまま聞く
この逆算で出てきた質問は、全部「自分ごと」です。だから暗記しなくても口から出るし、答えをもらったら自然に続きが話せる。面接官が逆質問で見たいのは知識の量ではなく、「この人、働く気で考えてるな」という当事者感なので、これが一番まっすぐ刺さります。
引き出しは3つあれば足りる
逆算の枠として、この3つだけ持っておけば十分です。
- 最初の仕事——「入社後、まず任される仕事はどんな内容ですか」。求人票を読み込んだ上で一歩踏み込むと、準備度も一緒に伝わります(求人票のどこを読むかはこの記事で書きました)
- 一緒に働く人——「配属予定のチームはどんな構成・雰囲気ですか」。入社後のミスマッチで一番多い「人」の情報を、面接の場で取りにいけます
- 活躍の基準——「この職種で活躍されている方に共通点はありますか」。意欲が伝わるのに加えて、入社後の道しるべが手に入ります
ここから2〜3問、自分の言葉に言い直して持っていく。例文50選はもう要りません。
正直に言うと:無理に質問しなくていい場面もあります
これは面接官として本音で言っておきたいのですが、面接の中で会話が深まって、聞きたいことが全部解消されることがあります。そのときに、ストックを消化するためだけの質問をひねり出すと、むしろ空気が下がります。
質問が本当に尽きたときの正解はこれです。
「面接の中で伺いたかったことは全てお聞きできました。お話を伺って、ますます働きたい気持ちが強くなりました。ありがとうございます。」
疑問が解消されたことと、意欲。この2つを言葉にして締めれば、質問ゼロでも減点にはなりません。 無言で「特にないです」だけが損をします。
まとめ:面接前の10分でやること
- 「入社1ヶ月目の自分が困ること」を3つ書き出す
- 3つの引き出し(最初の仕事・一緒に働く人・活躍の基準)に当てはめて、2〜3問を自分の言葉にする
- 質問が尽きたとき用の締めのひとことも用意しておく
これで「何か質問はありますか?」は、怖い時間から最後のアピールタイムに変わります。
ちなみに、面接官が逆質問のどこで「おっ」と思い、どこで「がっかり」するのか——評価される質問・NGな質問の具体例は、noteに無料で全部まとめてあります。面接が近い人は続きとしてどうぞ→面接の逆質問で差がつく(note・無料)